チャド茶団

雑記ブログ。ゲーム・アニメなどの話題多め。

【感想】機動戦士ガンダムSEED FREEDOM

ついに公開!劇場版ガンダムSEEDを観てきたぜ!

パンフレット買おうかと思ったら2日めにして既に売り切れですごい人気!なので名称とか割と適当なところある。

しかしこのまま一生制作されないんじゃないかと思ったものがいざ現実の目の前に現れると不思議な感覚になるな・・・。

正直期待半分、不安半分という感じだったがめちゃくちゃ面白かった!これまでシードシリーズは出来の問題もあってか(特にデスティニー)どちらかと言うと作品自体をネタとして楽しむことが大半だったんだけど今回は作品そのものの出来が完全に別物。

とりあえず言っておこう。

アスランすまんかった!!

 

※以下ネタバレあり

さすが劇場版ということでビジュアル面は大充実!キャラクターはもちろんMS戦はどのシーンも最高にカッコよかった!MS自体はCGで描かれているが前作までより重量感が感じられるのもよかったな。開幕のウィンダムがすでにかっこいい。

ブラックナイトもデザイン自体は微妙だと思っていたら動くとカッコいいといういつものシードマジック。ビームマントではじくのかと思ったら全面ビームが効かない謎仕様でめっちゃ強い針が出る。あの針強すぎだろ・・・。

事前に公開されていた機体以外にも隠し玉はあるんだろうな、とは思っていたがまさかまさかのデュエルとバスター、ストフリとデスティニーが登場!オタク君は最終決戦でパイロットが過去の機体に乗るのが最高に好きなんですよ!分かってるねぇ!

これだけでも鳥肌ものだがデュエルとバスターはミーティア装備した姿まで見せてくれて感涙ですよ!欲を言えば二機のMS戦も見たかったしブラックナイトの一機くらい二人で倒してほしかったけど・・・。

そして個人の好みで言えばストフリよりフリーダムのほうがよかった。もっと言えば新型パックという存在があるのならストライクのほうがもっとよかったな。新型パックのデザインも正直あまりカッコいいとは思えず唐突な日本刀の採用もよくわからなかった。ただミーティアによるバフももちろんあると思うけどあの合体シーンからの戦闘シーン自体は熱くならないわけがない。動かずにビーム撃ってる姿はゲッターやマジンガーっぽかったが。

デスティニーは完全に分身しててワラタ。あれ演出じゃなくてシン自身も認知してたんですね!そして戦闘シーンは暴れまくりで見ていてとても気持ちがよかった。連ザみたいな格闘モーションもあったような・・・。しかしビームが効かないブラックナイトにデスティニーは相性最悪だと思うんだけど対艦刀でフリーダム貫いてたしシンには無敵貫通みたいな能力があると思って納得しておこう。

そしてそして何よりびっくりしたのがズゴックズゴックだよ!正式名称はわからないけどアスランズゴックって言ってたから正真正銘ズゴック!主人公のピンチを救うズゴック!宇宙に飛び出すズゴック!中からジャスティスが出てくるズゴック

ジャスティス出てきたときオルフェとシュラ驚いてたけどあれは「入るわけないだろ!」という驚きだと思う。

ライジングフリーダムとイモータルジャスティスについてはまぁ・・・。少しは活躍シーンがあったライジングに比べると退場後も「ジャスティスだから負けたんだ!」と死体蹴りされるイモータルの不憫さが一層際立つ。

 

そして過去作に比べて一番変化があったのがキャラクター描写だと思う。

これはキャラクター達全員に言えることだけどやっと登場人物に血が通ったっていう感じがした。

シード中盤から悟りを開きデスティニーでは植物みたいな反応しか返さなくなったキラも今作では悩み、迷い、憤り、怒って泣く等身大のキャラとして描かれているのがすごく良い。アスランとぶつかりみんなの前で心中を吐露して「みんなが弱いから!」と言い放つシーンはキラに「よく言った」と言いたいしスタッフに「よく言わせた」と言いたい名シーンだと思う。正直キラからラクスに向けられている気持ちも今までよく分からなかったので今作で踏み込んで明確にしてくれたのも嬉しかった。今更だけど不明瞭だったキラ・ヤマトというキャラがようやく形作られたような気がする。

冒頭でも謝ったけどアスランはノルマ的に裏切ると思っていました本当にすまんかった。そんなアスランだけど今作では圧倒的強者ポジションで頼りになるナイスガイ。なんとズゴックに乗って登場するという異次元サーブからキラへの叱責と激励、ストフリに乗ってシュラを煽り、ズゴックからジャスティスを錬成し、シュラに破廉恥な妄想を見せつけるインフィニットジャスティスな活躍を見せる!キラの友人という設定が設定でしかなかった今までと違いしっかりキラと向き合ってむき出しでぶつかり合う姿も熱い。いつでも即時カガリで妄想出来るムッツリさも判明し好感度上がりまくったわ。

そしてデスティニーで(途中まで)主人公であったシン。今までがあまりにも不憫な役回りだったために今作ではどういう立ち位置になるのかと思ったらキラさんのことが大好きな犬系後輩キャラに・・・!デスティニーの頃より幼い、というかいい意味でバカっぽくなっていて不快感もなくむしろかわいいとさえ思えるキャラになっていたのがとても良かった!ファウンデーションに赴いたとき一人だけ頭を下げるのが遅かったりキラさんバカにされて怒ったりパーティーで食いまくってたりキラとアスランの喧嘩を止めようとして二人にぶん殴られたりデスティニーもらってキャッキャしてたり映ると画面が明るくなるような存在だったな。アスランのこと嫌いすぎて笑った。

ラクスも料理上手な一面だったり本心では怯えながらもオルフェに気丈に抗う姿だったり今までよくわからなかったキラに対する気持ちをしっかり明言してくれたりと内面的な魅力があまりなかった前作までと比較するととても魅力的。反面ラストバトルで新型パックに乗り込んだ際のCCばりの前傾姿勢、誰が作ったんだよコレと思わずには言われないパイロットスーツが気になって戦闘が頭に入ってこない問題の責任は取ってほしい。

ルナマリアは個人的に放送時から思っていた「シンで妥協した」説がアグネスから突っ込まれてたのが面白かった。こういう公式自ら過去のモヤモヤした感じを取っ払ってくれるの本当にありがたい。そのアグネスはクェスみたいなポジションではあったが特に魅力的な部分もなく、裏切っても戦況に影響を及ぼすほどでもなくシュラしか知らない月光のワルキューレという謎のワードだけ残して何故か生き残るという存在理由が微妙によくわからないキャラだった。

ヘルベルトとマーズは20年ぶりにまともなセリフを与えられた(マーズはほぼ初)と思ったら雑に処理されたのはちょっと悲しかった。あれだけの戦闘で味方陣営に被害がないのはちょっと・・・という考えからいなくなっても特に影響のないこの二人が殺された感ある。逆にヒルダはシンとの絡みやブラックナイト撃破としっかり活躍してたのがナイス。

ブラックナイツの面々は最初から態度悪すぎて草。これが原因で協力断られたらどうするんだと。「キラ・ヤマトは剣を使えない。シン・アスカは大したことない。やはりアスラン・ザラが最強か」理論はちょっと面白かった。でも実際アスラン生身では最強だから合ってる。

シュラとイングリッドを除くと一番目立つのが緑のグリフィンだとは思わなかった。PVで「闇に堕ちろキラ・ヤマト!」って言ってたのお前かよ!予想外すぎるわ!リデラードはイングリッドと姉妹という死に設定があるしダニエル共々影の薄さをカバーするように必死にヒャッハーしてるのが涙ぐましかった。リューは核ミサイル操作したとこしか覚えてない。

そんな中、主要キャラに混じって度々重要シーンに映っているノイマンはやはりただものではなかった。今回はレクイエムを回避する神業を見せどこまで腕を上げるのかこの男。

しれっとオーブ首脳陣にまぎれているサイも面白かった。この男、デスティニープランの検査も受けていたのに中止と見るやそこからの軌道修正も早くてコズミック・イラ一の柔軟な思考と行動力を持った男なのではないだろうか。

一瞬しか映らないカットも多くて見逃してるのも多いだろうけどとりあえずカズイの生存確認が出来てよかった。あれイーリャンじゃないよね?配信とかでこの辺りはゆっくり見返したい。

色々言ったが今作のMVPはアルバートメイリンだと思う。この二人、実に優秀で都合がいい。

 

ストーリー的にも面白かったがちょいちょい気になる部分も。

話題に上がってるけどフリーダム強奪事件。これはまぁそういうことがあったんだ、という感じだけど一応少しだけでも本編で補足してほしかった。これもコンパスに恩を売るためのファウンデーションの自演という感じでいいのかな?

序盤こそブルーコスモスが敵ということで名前が挙がっていたミケールだが中盤から霊圧が消える。そもそもミケールという人物が本当に存在してるのかファウンデーションの工作なのかも本編だけだとよくわからなかった。

踊っていたと思ったら庭にワープするオルフェとラクス。ラクスを追ってミレニアムを飛び出したキラとすれ違ったオルフェが先にラクスにたどり着くなどのワープもちょいちょい気になる。キャラクター達の位置関係も分かりづらくて今どこに誰がいるのかよくわからなくなるシーンも。

ファウンデーション側も蜂起後は「コーディネイターこそ至高」みたいなこと言い出して陳腐化してしまったというかなんというか。アコードによる精神操作はどの程度の範囲と拘束力があるのかわからず使用したのもグリフィンだけ、対象はキラとシンだけで途中から相手の心が読める、という点でしか使われなかったのも消化不良感。

シンに対する精神操作をステラが護る、という点も展開としてはきれいなんだけどあそこはギャグではなくレイとマユも合わせてもっと感動的な感じにしてほしかった気も。

ミレニアムで決戦に挑む際もキラの挑発でアウラが突然ブチ切れて目標をミレニアムに切り替えなければオーブが壊滅していたのもちょっと無計画すぎる気もする。せっかくヤタノカガミとかいうオーバーテクノロジーがあるんだからオーブ上空にヤタノカガミ仕様のムラサメで円陣組んでレクイエム防ぐくらいはしてほしかった。中心にはガンバスター立ちしたキサカを配置することを忘れずに!

尺の問題か後半ちょいと駆け足気味で特にエンディングへの入り方は急で驚いた。斬鬼さんもビックリな戦闘終了後に即、浜辺で全裸になるキラとラクスも面白すぎてSee-Sawのエンディング曲も頭に入ってこなかったのも問題。

何より気になるのがシード世界の問題はこの映画を経ても何も解決していないこと。むしろコンパスの活動休止、各地で甚大な被害と開始時より悪くなってる気がする。

全員ではないけどプラント側がアウラの言葉に呼応して蜂起しちゃってるのもまずい。ここらへんはアコードの精神操作のせいとかにしといたほうがマイルドだった気がする。ラクスが民衆に呼びかけていたけどシード世界の一般市民て終わってる感が強くて希望的な感じが全然期待出来ないんだよね。

 

色々不満も言ってしまったが全体として見ると十分に傑作だと思う。MS戦だけでも観に行く価値アリ!

サプライズ的な機体だったりキャラクター達の新しい面だったりエンターテイメントとしてもとても良くできており観る側を楽しませる仕掛けが随所にあるのもグッド。

本当にシードシリーズでここまで純粋に面白いものが見れるとは思わなかった。

待った甲斐があった。そう素直に思える内容だったことが何より嬉しい。